新型コロナの陽性者が発生した時、実際にどう対応したか事業所の経験と教訓を、施設長・管理者や現場職員にお聞きしていきます。
日中活動の利用者家族の陽性発覚にはじまり、翌日には日中活動を閉所し、関係する全利用者、職員に抗原検査を実施。その結果、利用者、職員、職員家族の計4名の陽性者を確認。それ以上の感染拡大を防止のため、事業所を1週間閉所、グループホームの利用者は陰性であったが念のために隔離対応した。また、在宅で陽性者の対応にあたる家庭への感染防止のための物資提供、防護服の脱着等のアドバイスなども実施。
保健所の対応では間に合わないと判断し、早い段階で法人独自で抗原検査を行い陽性者と陰性者の切り分け(スクリーニング)を行なった。それにより陽性者及びその関係者への適切な対策ができたことで感染拡大することなく、1週間後の再検査で全員陰性を確認し、円滑に開所することができた。
この経験から、コロナ感染時の物資提供やゾーニングのノウハウなどまとめることができた。現在は、体調の変化への意識を高くし、日常的な感染拡大の防止に努めている。
特別養護老人ホームの入居者が発熱。すぐにかかりつけの病院でPCR検査し、3名の陽性者判明。保健所に連絡。すぐに保健所職員来園。近隣の病院からも、感染症対応指導看護師が派遣される。職員へ防護服の着方、ゾーニングなどの今後の方向性への指導がある。次の日、全入居者・職員のPCR検査を実施。結果として、入居者 13名、職員5名の陽性者判明にてクラスター確認。感染経路不明。職員は自宅待機、入居者は入院までの間は施設で療養。再度、近隣の病院から感染症対応指導看護師が派遣され、施設内の環境面の確認、ゾーニングなどの徹底指導があった。陽性者はゾーニングにより施設内ホールで隔離して完全防護で対応。1週間後に、現状把握のためのPCR検査を再実施し、追加で入居者1名、職員3名の陽性者判明。
地域の病院、保健所からの丁寧なアドバイスを頂戴するなど、連携がスムーズにできたこと、「入居者のために」と職員みんなで一丸となって対応できたことで、収束までの22日間を乗り切ることができた。この経験から、予防の徹底、体調の変化への意識を高くし、日常的な感染拡大の防止に努めている。